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 イヌやネコもインフルエンザにかかりますか?

 家庭犬と猫の冬対応

 台湾での狂犬病発生について

 漫画ペットのトラブル−熱中症編

 漫画ペットのトラブル−狂犬病編

 中高年のためのペットの飼い方

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 犬の避妊手術について

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 災害時の動物救護

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 家庭犬・家庭猫の飼主の方々へ!

 飼い主のいない猫はどうするの?







イヌやネコもインフルエンザにかかりますか?

 師走の声を聞き、仕事や勉強に慌ただしい毎日を過ごす日々ですね。疲れも溜まるこの時期、体調が優れずに中にはお医者さんで「インフルエンザ感染ですね。」と診断された方もいらっしゃるでしょう。

 インフルエンザの治療には十分な栄養と静養が一番です、お大事に。その一方で他者へ移さない心がけも重要です。ご自分の治療の為も含め不要な外出を控えるべきです。加えて「咳エチケット」をこころがけましょう。咳やくしゃみをする時に手で口元を押さえることは当然のマナーですが実はその手には沢山のインフルエンザウイルスが付着してしまいます。咳やくしゃみを押さえたあなたの手で触れた物から新たな感染が起きるかもしれません。できればハンカチやティッシュなどを利用して口をふさぐことで、感染の広がりを防いでください。

 さて、インフルエンザの流行時には飼い主さんより、「私のインフルエンザが飼育しているイヌやネコに移ったりしませんか?」と質問されることもあります。多くのパンフレットやインターネットの情報をみてみますと、「インフルエンザウイルスは型ごとに感染する動物種が決まっているので、ヒトのインフルエンザウイルスがイヌやネコに感染することはありません。安心してください。」とあります。実はこの説明は正しくもあり誤りでもあるのです。

 2004年にアメリカで発生したイヌのインフルエンザ流行は、ウマインフルエンザと同じ型(H3N8)でした。2007年に韓国でトリインフルエンザウイルスと同じ型(H3N2)のウイルスによるイヌのインフルエンザ流行が報告されました。2009年に発生したヒトの新型インフルエンザA(H1N1)pdm09では、その後、アメリカ、中国、日本でイヌへの感染が報告されています。
 一方ネコでは、2003年にタイで、高病原性トリインフルエンザウイルス(H5N1)によるトラの感染が報告されました。これは動物園で飼育されていたトラに餌として与えられていた鶏からのものと思われています。オランダで行われた実験でH5N1型インフルエンザウイルスがネコへ感染することが確認されています。
 このように非常に稀ではありますがインフルエンザウイルスが種の壁を超える事例があるのです。ところでイヌやネコのインフルエンザの臨床症状は無症状もしくはヒトと同様の風邪症状です。治療は対症療法に加えて、細菌の二次感染にそなえます。

 では、自分がインフルエンザに感染してしまったら飼育するイヌやネコへの感染も心配しなければならないのでしょうか?  いいえ。過大な心配は必要ありません。ヒトのインフルエンザウイルスがイヌやネコに容易に移りやすくなった事実はまだないのです。対応は「濃厚な接触をしないこと」のみで十分です。定期的な部屋の換気を行い、前述した「咳エチケット」のこころがけ、特に鼻汁中には沢山のウイルスが含まれますので顔や口元を舐めさせることも控えてください。またヒトが服用する前後の薬の管理はイヌやネコの口に入らぬよう気をつけてください。

  インフルエンザに限らずイヌやネコなどとヒトの相互に感染する病気をズーノーシスと呼びます。このような病気をお互いに交換しないような付き合い方が必要です。
宗村徹也 (本会理事) 獣医師



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家庭犬と猫の冬対応

寒い冬は犬猫も人と同様、日常生活に十分気をつけてください。日本も地域や生活環境の違いや、動物種、年齢によって寒さ対応に違いがあり、寒い時期は体内代謝が活発になるので、少し多めの食事(カロリー)にして体脂肪を少し増やすことも大切です。体脂肪は必要ですが、多すぎると害もありますので注意してください。

飼い主は定期的に犬猫の体重を測って記録しましょう。胸部の肋骨がはっきり触れる場合は痩せ過ぎ、強く押さえても肋骨に触れない時は肥満で、両方とも病気になりやすく、すでに病気の可能性もあります。痩せすぎでも、肥満でもない健康体を維持しましょう。
近頃、肥満体が可愛いと言う飼い主も増えていますが問題です。散歩を毎日しない飼い主も増え、40%くらいの犬が散歩せず、室内のみの生活との報告もあります。

飼い主との毎日の散歩、運動は愛犬の健康、排便、排尿だけでなく、飼い主の肉体的、精神的健康、そして知らない人とあいさつができたり、犬同士もあいさつしをて散歩が楽しくなり、社会的にも役立ちます。可能なら毎日1〜2時間した方が良いでしょう。
散歩や運動の際にはリードは短く持ち、自分の足に触れる位に愛犬を歩かせてください。伸びるリードは事故を起こすこともありますので、道路での使用はやめたほうが安全です。

他の犬の糞尿の臭いを嗅いだり、舐めたりするとジステンパー、パルポ、レプトスピラ等に感染することもあります。定期的に予防接種してください。日本での混合ワクチン接種率は犬で25%、猫では10%との報告があります。
狂犬病は法的に接種が義務化されていますが、日本では接種していない犬が半数以上おりますので注意してください。発症後の治療法はなく、ほぼ100%亡くなります。感染症対策も大事です。

近年、犬に服を着せる飼い主が増加しています。品質やファッションもいろいろありますが、四肢を通して、背部のみでなく胸部、腹部も被った服が良いです。季節や家の内外で適したものにしてください。

室内外の温度差が大きくなる季節に咳、呼吸障害、疲れ、貧血などが見られる場合は、循環器や呼吸器障害の可能性がありますから、早期に病院で受診してください。

年末・年始は家でゆっくりしたり、旅行に行ったりするので料理も盛りだくさんです。料理中に落ちたものを犬猫が食べたり、人間用の食べ物を犬猫に与えることもあり、タマネギ、チョコレート、塩分などが嘔吐や下痢、食欲不振、元気消失などの症状を起こすので、異常があれば早めに病院へ行きましょう。

布団の中で犬猫と一緒に寝る時は、犬猫は体温が38℃〜39℃、人は36℃前後なので暖かさを感じて気持ちよくなりますが、押したり、潰したりすることがありますのでご注意ください。

猫は多飲、多尿、頻尿、排尿困難、血尿など泌尿器障害も多く見られます。

上記のことから、人と同様に犬の死亡は1月から3月に多く見られますので、上記のことを参考に十分にご注意ください。
犬猫等のペットを飼う事は、飼い主にとってプラス面が多くあります。しかし飼い方を間違えると大変なことになりますので、飼う前に自分の立場、動物の種類、性別、年令、個性などをよく考えて適正飼養することにより人も動物も幸福になってください。 (O.S)



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台湾での狂犬病発生について

農水省は平成25年7月17日より台湾の狂犬病清浄地域指定を取りやめました。
これまでアジアでの狂犬病清浄地域は日本と台湾のみで、全世界でも12カ国・地域のみでしたが、7月16日、台湾行政院農業委員会は野生動物のイタチアナグマの脳組織を検査した結果、狂犬病と確定診断したと発表しました。
厚労省は感染症法に基づいて動物の輸入届出制度においては狂犬病が発生していない地域から台湾を除外しました。また、イタチアナグマは日本では以前からすべての国より輸入禁止になっております。
平成25年8月現在、農水省は狂犬病発生の無い国や地域は日本、アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアムと指定しました。
平成26年4月16日現在、イタチアナグマ355例、トガリネズミ1例と犬1例が狂犬病と確定されています。台湾での発生は主に森林地帯で、人もイタチアナグマに咬まれ、発症予防のため狂犬病ワクチンを接種しています。
今後、台湾から犬猫等を輸入する場合は、非清浄地域からの輸入条件に基づいて狂犬病予防接種や血液検査等を実施します。
近年、犬猫の輸入数は1〜2万頭前後に減少しており、その内台湾からは800頭くらいです。今後、台湾からの輸入犬猫は減少すると思われます。

動物関係の仕事についている人や狂犬病流行地に行く人は、国内で人用の狂犬病予防接種を受けた方が安心です。
人への狂犬病感染源はアジアでは主に犬から、アメリカやヨーロッパではアライグマ、スカンク、キツネ、コウモリなどの野生動物からである可能性が高いです。海外では飼い犬はじめ野生動物等に、触れたり咬まれたりしないように注意しましょう。人への感染は95%以上が犬による咬傷で、発症すると治療効果が無く、毎年5〜6万人の人が狂犬病で亡くなっています。
日本の狂犬病予防法は飼い犬の感染予防はもちろん、人への感染予防のために実施しております。狂犬病は発症するとほぼ100%が亡くなるという恐ろしい病気です。

近年、日本の飼い犬の接種率が低下していますので、飼い主は国民の義務として早期に愛犬の狂犬病予防接種を受けましょう。予防法では飼い犬は生後91日齢になったら狂犬病予防注射をして、行政に畜犬登録することが義務になっており、接種は毎年1回必須です。未接種の飼い主には罰金が科せられる場合もあるので、早急に動物病院で接種してください。



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中高年のためのペットの飼い方
 
  
        

  中高年の犬の飼い方


  娘夫婦と孫(小学生)と同居する母親がシーズー12歳で避妊手術済み(5.6kg)、
  ヨーキー2歳去勢済み(2.2kg),プードル6ヶ月(3.5kg)を飼育し3頭一緒にカートに
  乗せて狂犬病ワクチン接種、フィラリアの有無の検査とノミ・ダニの駆虫剤を
  取りに来院、混合ワクチンはそれぞれ次回に来院予定。



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犬猫のカルテについて
 
 



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犬の外耳道炎について
 
 



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犬の去勢について
 


 



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犬の避妊手術について
 


 



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マダニとは

マダニは外部寄生虫であるダニの仲間です。日本全国に生息するマダニから地域性のマダニまでいます。
しかし現在はイヌを連れて全国を旅行するヒトが増加していますので、各マダニの生息地域が広がっています。年間に数カ月も自動車でイヌと共に楽しく旅行しているヒトも増加しています。また地球温暖化も関係しています。

マダニの幼虫、若ダニ、成ダニは草や木に登って、イヌ・ネコなどヒトを含めた哺乳類が通ると、寄生するチャンスと感じて飛び移ります。
自然豊かな草原、森林、田舎でなくても都市部の公園、丘陵地の住宅地の公園、そして河原の草原にもマダニは生息しています。
イヌでは頭部、耳、目の周辺、腹部、背部、足指間など、どこにでも寄生します。

万一、マダニを見つけたら、まだ吸血せず歩いているときはつかまえて、石などでつぶしてください。その時、手でつぶすと病原菌が付着し、感染の可能性が高まります。
また、吸血して大きくふくれている場合は、取ろうとすると下顎などが取れて外傷になり、化膿したり、病原菌を体内に伝染させる可能性が多くなります。
その時はイヌ・ネコなら動物病院で治療をします。ヒトの場合はヒト医の病院で治療してください。

マダニが寄生し吸血すると、吸血前より3〜5倍の大きさになります。皮膚炎をおこし、多数寄生すると多量に吸血されるので貧血を起こすことがあります。吸血して満腹になると自然に動物から離れて成長し、次の吸血の機会を待っています。
マダニの吸血によって多くの感染症が発生しますので、日頃から注意してください。


イヌバベシア症
はバベシア原虫に感染すると発熱、食欲不振がみられ、さらに赤血球を破壊し、貧血を起こし、黄疸などもみられ、急性の場合は死んでしまいます。
早期の診断、治療が必要です。
昭和時代は九州、中国、兵庫の六甲山までにみられましたが、現在は東京から東北、北海道までみられます。


ネコヘモバルトネラ症はヘモバルトネアリケッチアがマダニの吸血で伝染して起こります。発熱、食欲不振、貧血などイヌバベシア症によく似た症状を起こします。


ライム病はスピロヘータでライムボレリア症と言われています。
ライム病は鳥類、哺乳類などから吸血して成長します。シカが雌成虫マダニの吸血源(繁殖宿主)となり、マダニの増加に関与しています。

ライム病の感受性が高い動物はイヌで、マダニ刺咬後、食欲不振、発熱、リンパ腺腫、多発性関節炎伴う跛行がみられます。幼若なイヌほど感染発病しやすく、跛行は感染後2〜5ヶ月にみられます。

ヒトの場合は3つの病期に分けられ、感染初期は遊走性紅班、疲労感、不快感、発熱、咳、筋肉痛やインフルエンザ様症状を起こします。数週間から数ヶ月後には神経および循環器系と広がる。
慢性期は数ヶ月から数年後で、慢性関節炎、脊髄膜炎、慢性角膜炎などを起こします。
感染初期に適切な抗生剤の投与で改善しますが、慢性期のものは治療が困難になります。
北海道、長野中心にヒトの患者がみられています。


ダニ媒介性脳炎はフラビウィルスによる人獣共通感染症で、マダニが媒介します。
世界各国で発生していますが、日本での発生報告はありませんでしたが、近年北海道で見つかりました。


イヌのヘパトゾーン症はイヌが感染マダニを経口摂取することで感染が成立します。
発熱、体重減少、食欲不振、貧血、抑うつ、眼鼻の分泌物、血様下痢などを起こしますが、多くは不顕性感染で、症状を現しません。慢性化すると筋肉痛を起こし起立不能などになります。現在、確実な治療薬はないので専門医の診療が必要です。西日本を中心に発生報告があります。


マダニの治療は定期的に駆虫薬を投与することです。予防的には皮膚に動物用医薬品の液体をつけることが一般的です。
寄生している場合はスプレー式もあります。外部寄生虫のマダニのほか、ノミ、シラミ、ハジラミに効果のある薬品もあります。
これらは動物病院での診断後に使用します。
 



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予防(ワクチン)接種とは

ひと昔前まで、人も含めて動物の病気の多くは感染症で、そのため発病し、亡くなることが多くみられました。
地域によっては現在でも感染症は重要な病気です。

江戸末期には種痘ワクチンが出来、幕府も認めたので死亡が激減しました。コロリ(コレラ)は原因が分からず多くが亡くなっていました。
明治の初めには狂犬病ワクチンが発明されましたが、その時点では原因である狂犬病ウィルスは発見されていませんでした。
第2次世界大戦後、ペニシリンが初めて抗生剤として日本に輸入され、多くのヒトや動物が細菌感染症より助かりました。今は抗生剤が各種あります。
ウィルス感染症に有効な抗生剤は残念ながら未だほとんどありません。その代わり、各種ワクチンが出来ております。

日本人はワクチン副作用等に過敏に反応する人が多く、先進国の中ではワクチン種類や接種率が少ない国です。犬猫においても同様です。

動物(人も)の赤ん坊は妊娠中は胎盤から、出産直後は初乳を経由して母親から受け継いだ免疫力(移行抗体)をもらいます。母親には各種病気の抗体がないと困ります。移行抗体は病気の種類によって生後2〜4ヶ月齢で消失します。
移行抗体があるときにワクチン接種しても効果は期待できません。そのため一般的には犬も猫も生後8週、11週、14週の3回接種します。その後1年後に追加接種してからは定期的に追加接種します。

ワクチンは病原体を死滅させてある安全性の高い不活化ワクチンと、病原体を弱毒化させた生ワクチンの2種あります。
犬の場合、ワクチンはジステンパーウィルス、犬アデノウィルス、犬パラインフルエンザウィルス、犬パルボウィルスなどは細胞培養弱毒ワクチン(生ワクチン)です。犬コロナウィルス、レプトスピラ等は不活化ワクチンです。
猫の場合、ワクチンはネコウィルス性鼻気管支炎、猫カリシウィルス、猫汎白血球減少症、猫白血病、猫クラミジア感染症などは不活化ワクチンです。

ワクチンのある病気の多くは発病後、特効薬がないので定期的なワクチン接種が大切です。
ワクチン接種後10〜20分で、アナフィラキシーショックを起こして亡くなることもまれにあります。
1〜2時間後に顔が腫れたり、赤くなったりすることも時には見られます。
半日から2日間は、元気がなくなり食欲もなくなることはよくありますが、自然に回復するのでワクチン接種後は安静にしてください。

犬猫は家族の一員となり、以前より過保護になる一方、外に連れ出すことも多くなりました。
その時すべての犬猫がワクチンを定期的にしておらず、また抗体価が低いこともあり、最近また以前のように感染の機会が多くなっております。
ワクチンのある感染症は治療が困難な病気が多いので、家族の一員と思うならワクチンを確実に接種しましょう。これは公衆衛生的にも必要なことです。

狂犬病については、法的に犬に関しては接種が義務化されています。
狂犬病とレプトスピラは人との共通感染症です。

基準を満たした動物病院でご相談ください。
  



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老齢犬のケア&介護

1 何歳から高齢犬ですか?


犬の平均死亡年齢はこの30年間で急激に伸びました。
しかし地域差、飼い主の考え方、そして犬種によっても大きな差があります。

東京郊外では1980年、犬の平均死亡年齢は3〜4歳で、2000年には13〜14歳になり、約20年間で3倍にも伸びました。その後は大きな変化はありませんが、犬の高齢化が話題にはなっています。

室内犬および小型犬の場合、1980年代初めには7〜8歳でしたが、今日では15〜16歳です。
大型犬および室内飼育の場合は10〜12歳になっています。

1980年代には高齢犬表彰は10歳でしたが現在は15歳で、大型犬の場合は10〜12歳で発行しています。
ペットフードメーカーなどでは、シニア用フードは8歳以上を対象としています。

犬種、考え方、立場の違いはありますが、高齢犬とは小型犬では14〜16歳、大型犬では10〜12歳と考えればよいかと思います。

人は理想的な生活をすれば120歳までは生きると言われていますが、犬は理想的な生活で何歳まで生きるという資料はまだありません。

飼い主、地域、環境、遺伝などで高齢対策は違ってきます。
それには正しい情報、知識などが必要と思います。





2 老化現象とは?

犬も人も生き物には永遠の命というものはありません。
哺乳類は父親(雄)と母親(雌)の精子と卵子が一緒になり、子供が誕生し、成長し、新たに子孫をつくり、老いてゆき、最後は亡くなることになります。

動物の機能、形態が年と共に順次入れ替わってゆき、補充が十分にできなくなると全体に老化現象として衰えてゆきます。
これは自然の現象のため、人工的な手を加えないと多くの場合苦しみも痛みもなく、静かに衰えて亡くなってゆくものです。

老化は自然現象のため、自立していても食欲が減り、体重は減少し、脱水し、行動がゆっくりになり五感も衰えます。
機能低下としては代謝としてのホルモン分泌、消化吸収、排泄、循環や感覚が衰えてゆくものです。

形態においても骨、筋肉、神経なども年齢と共に衰えてゆきます。
この衰えることを少しでも遅らせたり、バランスよく衰えるようにするには、適正な飼養管理と医療をすることが介護を少なくし、自然死的な最期を迎えることに近づけます。





3 高齢犬に多い病気とは?

年齢を重ねると代謝が衰えてゆきます。生殖機能、性ホルモン分泌が低下し、さらに失くなるとその動物の使命は終了したことになります。
甲状腺や副腎の機能低下では、元気が弱まり痩せてゆきます。免疫機能も低下し、感染症などの病気にもなりやすくなります。
造血機能が低下すると貧血になり、血色が悪くなり、つやも無くなり、疲れやすくもなります。

     15歳で心臓薬を投与のため血色がよい

消化吸収機能低下によって消化不良、吸収不良が起こり、便が柔らかくなったり、便秘にもなり、体重の減少も起こります。
腎機能の低下で尿の再吸収が悪くなり、薄い尿を多量にするので脱水になり、痩せてもゆきます。
多飲・多尿は腎障害のほか、糖尿病、副腎障害、子宮蓄膿症、肝障害でも起こります。

    睾丸の腫瘍   乳腺腫瘍

早朝の乾咳や散歩を嫌がったり、疲れやすくなると循環器障害の可能性もあります。
散歩を嫌がったり階段の上り下りが出来なくなったりしたら、神経、筋肉、関節や骨の障害があります。
症状として似ているところもありますが、原因は別のため対応が違います。

聴覚、視覚、嗅覚の衰えも年齢とともに起こり、白内障や緑内障は8歳以上で多くみられます。
歯石が付き、歯周病による口臭や欠損した歯も見られ、口内に感染している細菌から各部位に炎症を起こす場合もあります。

体表などに腫瘤、腫れものがあれば、外傷化膿、過形成、そして8歳以上の場合は腫瘍の可能性が高くなります。
病気になったとしても治療して、自立できる状態にして、介護がなくても元気に過ごせるようになればQOLの高い生活を送ることができます。
そのためにはこれらの症状を早期に発見することが飼い主にとっても、愛犬にとっても重要です。

健康寿命を延ばすことがとても大切です





4 健康で長寿の秘訣は何?

もちろん獣医学の進歩と普及と飼い主さんの変化で、その影響は高度成長時代に支えられたことに間違いありません。

予防獣医学として狂犬病はじめ、ジステンパー、パルボやレプトスピラのワクチン接種と、フィラリアやノミ、ダニの駆虫です。
放し飼いをやめ、社会ルールを守るしつけも大切で、事故防止になります。

適度の運動、散歩、そしてよく遊んでやることも必要です。

犬と人は栄養バランスが違うので、年齢、病気に適したペットフードを適量与える。

子孫をつくらないのなら、若いうちに避妊、去勢手術をすることで生殖器の腫瘍など病気発生を減らす。
これらは飼い主の意識、知識や、金銭的な現実問題でもあります。。

また、病気の早期発見のためには、毎日のように犬の状態を見たり、触れたりして健康チェックをすることが重要です。
これらのことを、飼い主によく解説してくれる獣医師と仲良くなることも大切です。

健康寿命の条件としては
1. 心理的、生理的に自立している
2. 歩ける
3. 排泄管理ができる
4. 飼い主とのコミュニケーションができる

健康寿命と死亡寿命との差を出来るだけ短くするすることが、人と犬においても大切なことです。

これらのことを重視している臨床獣医師と付き合うことが重要だと思います。





5 寝たきり犬の介護とは

いま、人も犬も介護が話題です。

適切な飼育・管理をしている高齢犬は多くの場合、介護をすることは少ないです。

機能や形態は年齢とともに衰えてきます。その時、体もそれに伴って変化しますので、ゆっくりペースになり、痩せてきて、体への負担も減らして適応してゆきます。

しかし、事故や病気によって障害を起こし、介護が必要になることもあります。
運動機能の低下による歩行困難、痴呆など脳神経の障害による歩行困難や感覚機能不全によって反応が低下し、排泄障害や、食事がとれなくなったりします。このような場合は介護が必要になります。

治療と違い看護は短時間おきの対応のため、飼い主側の負担は大きくなります。
時には人も同様に介護が必要になり、長期間で重症の場合は家族の負担が大きくなります。

介護は医療と連携して行っています。獣医療においても一部、積極的に介護を行っている病院もあります。
しかし、介護をしなくても済むように高齢化対策をすることが犬にも、飼い主にも一番大切なことになります。





6 介護用品について

以前に比べ動物の介護用品は進歩し、多種多様化しています。後肢の運動障害用の介護には介護用ハーネス、車イスやカートがあります。

適切な診断を受け、治療、介護法をいくつも説明を受けて、飼い主であるあなたが、どれを選択するか決めてください。

人の考え方、思いも多種多様ですので、飼い主にも犬にも総合的に、長期的な判断をすることが大切です。




7 安楽死について

人においては多くに国で安楽死を認めておりません。
しかし動物においては獣医師は安楽死をすることが認められている唯一の職業です。
適切な、適正な、診断法に基づく診断結果を得た場合、獣医師は治療法について大きく分けて5つの選択肢を説明します。

1. 高度、先進医療病院での専門的診療・治療
2. 日常の一般的な診療病院での治療
3. 投薬など自宅治療
4. 特別な治療はせず、尊厳死、自然死を待つ
5. 説明を受け、飼い主が決定する安楽死処置をする

犬との関係を考えると、安楽死も重要な選択肢の一つと考えてください。
安楽死法も多種多様あり、一般的には鎮痛剤と全身麻酔剤の投与です。
さらにカリウム剤の注入により心停止を起こします。
多くの場合、飼い主立ち合いで、飼い主にだっこされた状態で行います。
欧米では一般化していますが、日本ではまだまだ抵抗感があります。





8 中高年齢者と犬との関係

1. 犬を飼うことで家族内の会話が増える
2. 食事、排泄、散歩などで責任感ができる
3. 運動量が増える
4. 心拍数、血圧が安定する
5. 散歩で犬友達ができる

など、飼い主の健康、明るさ、積極性、経済など多くの利点が飼い主さんにもあります。




9 犬の選択は

1. 小型
2. 温和
3. オオカミ型
4. 年齢(仔犬以外も)
5. 家族で相談
6. 体力
7. 時間
8. 好感度
9. 経済力
10.家の空間
11.目的


などよく考えて飼いましょう。                    (TM、OS) 



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愛犬・愛猫の健康チェック

愛犬・愛猫の健康チェックは飼い主さんの毎日の務めです。
これは人と動物との絆を深め、飼い主さんにも良いことが数多くあります。

1. 元気があり、周囲の変化にすばやく反応しますか?

2. 食欲の程度、食べ方、スピードに変化がありませんか?

3. 排便は毎日規則的にあり、1〜2回ですか?
  形状、大きさ、量、色、臭気に変化がありませんか?
  血液、粘液や虫体などが付着していませんか?

4. 尿は勢いよく出ますか?
  色や臭気はどうですか?
  回数は2〜3回で、回数や量に変化はありますか?
 
5. 水の飲み方、量に変化はありませんか?

6. 肛門、おしりの周囲は便で汚れたり、赤く腫れたり、ただれたりしていませんか?

7. お尻をこすりつけたり、ズルことはありませんか? かゆみはどうですか?

8. 涙や目ヤニの量や色はどうですか?
  目の周辺は赤くはれたりしていませんか?
  異物が入っていたり、気にしている様子はありませんか?

9. 鼻は湿って、冷たいですか? (寝ていると乾いています)
  鼻汁はありませんか?

10. 咳をしませんか?
  咳をする時間帯は朝、昼、夜のどれですか?

11. 呼吸は落ち着いていますか?
  呼吸が速かったり、大きかったりしませんか?
  腹を大きくふくらませたりしませんか?

12. 口は口臭やヨダレがありませんか?
  歯肉はピンク色で歯垢など汚れはありませんか?

     高齢で歯石が溜まる

13. 耳はかゆがったり、首をかしげたりしませんか?
  汚れや臭気はありませんか?

     外耳道炎の汚れ

14. 皮膚は弾力性がありますか?
  多量の抜け毛、部分的な脱毛、フケ、かゆみ、赤み、腫れやただれはありませんか?

     慢性の皮膚炎

15. ノミやダニはいませんか?

16. 歩き方はどうですか?
  疲れやすかったり、足を引きずることはありませんか?

17. 食べ物、胃液、毛や異物などを吐きませんか?
  また、吐き気が続きませんか?

     ティッシュを食べて長くなったものを排泄した

18. 食欲は変化ないのに痩せてきたり、太ったりしませんか?

19. 体に触られるのを嫌ったり、痛がったりしませんか?
  傷や腫れ物はありませんか?

     皮膚の腫瘤(肥満細胞腫)

20. ツメが長すぎたり、指間の汚れや赤みはありませんか?

     長くなった爪

毎日の生活の中で、以上のことを気をつけてよく観察してください。
メモをとり記録しておくと、病院での対応に役立ちます。
いつもと変わった様子があれば、病気の可能性がありますので、早めに病院に行き、
愛犬・愛猫のための受診をしてください。

また、これらの健康チェックはあなた自身にも応用できます



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 狂犬病について(その2)

狂犬病はイヌのみの病気ではなく、猫、ハムスター、牛、キツネ、アライグマ、コウモリなど、ペット、家畜、野生動物、そして人間も含めた哺乳類の感染症で、発病するとほぼ100%亡くなる恐ろしい病気です。
現在、地球上では毎年7万人くらいの人が狂犬病で亡くなっており、その数は増加傾向にあります。
狂犬病ウィルスに感染した動物(人も含め)はウィルスが神経を通して大脳に達すると、いろいろな神経症状を起こし数日で亡くなります。人の場合、神経過敏などから恐水病、恐風病とも言われていました。
日本でも60〜70年前の東京では狂犬病が流行し、多くの犬猫などが亡くなり、人も亡くなっておりました。東京、千葉などでは獣医師が何人も亡くなっています。

狂犬病予防法により飼犬の予防ワクチン接種などと海外からの侵入防止の検疫のため、1956年を最後に犬の狂犬病発生は日本ではありませんが、世界中では今も多く発生しております。そのため海外に行き犬に咬まれて狂犬病で亡くなった人もおります。最近ではフィリピンで犬に咬まれ、帰国後京都と横浜で2名が狂犬病で亡くなっております。
狂犬病予防法は狂犬病の発生を予防し、そのまん延を防止し、撲滅し、人や動物の公衆衛生の向上及び公共の福祉の増進を図ることを目的としています。適用動物は人に感染させるおそれの高い犬を主に、猫、牛、馬、めん羊、山羊、豚など政令で定めることができます。
犬の所有者は犬を取得した日から30日以内、生後90日以内の仔犬の場合も同様で、狂犬病予防注射接種し、地元の行政に畜犬登録し、鑑札を犬につけます。変更時や死亡時も30日以内に行政に届けます。
狂犬病予防注射は犬では毎年1回は接種し、注射済票をつけます。前記のことを含め予防法に違反している犬は行政の狂犬病予防員が捕獲人を使って抑留することができます。行政は抑留犬を公示し、所有者が犬を引き取らない時は処分することもできます。

現在、推定1100〜1200万頭の犬が日本に住んでいると言われ、その内およそ450万頭の犬が接種を受けているので、半分以上は未接種ということで、WHO世界保健機構では75%以上の接種が流行予防に必要といわれています。
日本は島国であり、検疫もしっかりしているが、毎年コンテナ内に数十頭の哺乳類(猫、アライグマなど)が見つかり報告されていますが、実際にはもっといるものと思われます。また、ロシア船などは船の守り神として犬を連れており、検疫なしで上陸する場合もあります。また、密輸入の動物もいるので、いつ日本に狂犬病が再侵入するか分かりません。万一、狂犬病の動物が日本に入り未接種の動物に咬みついたら、接種率の低い今は流行する可能性があります。
人のほかは狂犬病発症動物は基本的には治療しません。数年前からアメリカにおいて狂犬病を発症した人を治療をして治った人も数人います。ミルウォーキー治療法で初めて治った人は動物好きでコウモリに咬まれた少女で狂犬病が発症しました。
その後医療関係者のチームが助け、いまその人は獣医学生になっています。
しかし、世界においては数年前まで年に5.5万人と言われていましたが、今は7万人が狂犬病で亡くなっています。
アジアは犬の咬傷が主で、アメリカは犬はじめ、コウモリ、アライグマなどの野生動物が多く、ヨーロッパはキツネや犬であり、海外に行った場合は日本での感覚で動物に接しない方が安全です。もしも人が咬まれた場合は、早急に受診する必要があります。
みなさん、狂犬病予防注射の時期です。毎年接種の犬も、また未接種の犬も早急に接種することが、あなたにも、愛犬にもまた社会全体においても大切なことです。狂犬病予防注射を確実に受けましょう。                       (O.S.)



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イヌ糸状虫症、フィラリア症について

イヌ糸状虫症は主にイヌの心臓や肺血管内に寄生する線虫で、雌は25〜30cm、雄は15〜20cmのソーメン状の白い虫です。
昭和30年代は東北の仙台まで、昭和40年代は北海道の札幌まで侵入し、現在も北上中です。蚊が中間宿主のため、温暖化と犬が家族と共に全国を移動することなどが拡大の原因です。
昭和50年、60年代には獣医学も進歩し、成虫駆虫、外科摘出手術、そして幼虫駆除の予防薬の普及で予防を行っている飼主の犬からは寄生が見られなくなりました。以前は東京においても環状6号線、環状8号線、16号線内などによって寄生率に差が見られました。
昨年の東日本大震災によって保護収容された犬では半数に犬フィラリアが寄生しているとの報告もありました。フィラリア感染に限らずしっかりと飼犬に予防(狂犬病、混合ワクチン、フィラリア、ノミ、ダニ、去勢・避妊手術、定期検査など)をしている場合は寄生率は少数で長寿になります。
毎年春から初夏にかけて、採血し血液検査で寄生の有無を調べてから、6〜12月(地域差あり)月に1回の投薬でフィラリア症の予防ができます。その時血液検査で血球、肝臓、腎臓、血糖、電解質も調べると健康診断になります。
犬の1年は人の4年に当たりますのでぜひ実施してください。あなたと愛犬のためです。
イヌ糸状虫は犬のほか、キツネ、タヌキ、フェレット、ネコ、アシカなど多くの哺乳類に寄生します。人も哺乳類の一員ですので、ミクロフィラリアを血中に持つフィラリアに感染した犬の血を吸った蚊が人間に吸血した場合には、その人に感染します。
幼虫、移行中に多くは死滅しますが、一部は肺や皮下組織に移行し、ある大きさまで発育して肉芽腫を形成します。
多くは健康診断でレントゲンやエコー検査で肺に腫瘤を見つけ、肺結核や肺ガンとして摘出手術を受けて、取り出した腫瘤中にフィラリア幼虫を見つけることがあります。
フィラリア症の臨床症状は胸痛、咳、血痰、発熱などが見られますが、無症状も多く注意が必要です。血液検査で白血球の中で好酸球が増加することが多く、近年は人のフィラリア症の検出率が増加する傾向にあります。

イヌ糸状虫は人獣共通感染症ですから、愛犬に予防薬を定期的に投与することは必須で、あなたのためでもあり、社会のためでもあります。寄生率は地域差、飼い主の考え方、飼育方法などで差が見られますが、愛犬との外出、それも田舎や自然環境の良い所には蚊が多いので事前予防が必要です。
以前はイヌ糸状虫症で心臓内にフィラリアが多数寄生し、心肥大、循環障害で苦しんで亡くなる犬が多く見られましたが、現在は予防薬も月1回になり、飲みやすく、おいしくなったので投与が楽になりイヌ糸状虫症の来院は減っています。
イヌ糸状虫症の予防をしない犬も多く感染し、寄生数によっては様々な症状を起こし苦しんで亡くなります。
毎年フィラリアの有無を調べてから、投与しましょう。                                           (O.S.)



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トキソプラズマ症について

トキソプラズマ症はヒトはじめ哺乳類と鳥類に感染する原虫です。ネコ科動物が固有宿主であり、腸内で繁殖しオーシストを排出します。オーシストは排出時は未成熟のため感染力がありませんが、10℃以上の環境下では数日で成熟し、感染力を持ち1年以上生存できます。
ネコ科以外のヒトはじめ非固有宿主動物は、成熟したオーシストを経口摂取すると腸管内で成長し、腸管以外に侵入して成虫になります。成虫はリンパ管や血管を通して全身に広がり、増殖してゆき宿主に障害を起こし症状を出します。
宿主が免疫力をつけると中枢神経や筋肉内の虫体はシストを形成します。シストを含んだ生の肉類などを未感染動物が食べると感染します。

ヒトの場合、ブタ肉や鳥肉などを十分に加熱処理しないで食べたり、感染している生肉を処理した時の手指や食器などから経口的に感染します。
ネコの糞便中のオーシストは経気道感染や外傷から経皮感染も起こします。ネコの糞便は排泄した直後に片づけて、手指などを良く洗うと感染予防になります。
子供たちが遊ぶ砂場などにはネコの糞便がよくあり、砂の中にはトキソプラズマのオーシストもあり感染します。

ヒトとネコの密接なふれあいも感染の可能性があります。
ヒトの場合感染率は年齢とともに増加し、日本人の成人は5〜40%であり、そのほとんどは不顕性感染で病状は見られません。先天性トキソプラズマ症の出現率は0.5%くらいと言われています。
トキソプラズマ抗体陰性の女性の妊娠初期にトキソプラズマに感染すると、胎盤を通して母親から感染し、発育障害を起こすと流産します。妊娠中〜後期では網膜絡膜炎、神経・運動障害、脳内石灰化、水頭症など重大な障害をみることもあります。
これらは出生時には症状を認めず、思春期までに多くは発症します。これらは母体が妊娠後にトキソプラズマに初めて感染した時に起きます。

抗体がすでにあれば感染成立する可能性は低くなります。万一のことを考えて、妊娠前にトキソプラズマの抗体検査等を受けておくと心配が少なくて済みます。トキソプラズマの症状や抗体検査等によって、専門家と適切な内科治療を行うと良いでしょう。
動物の症状は、感染後3週間前後で発熱、呼吸異常、リンパ節腫脹、紅班などを起こします。

治療は人などと同様、サルファ剤系の内科療法です。
ネコ科動物の糞便は早めに処理し、糞便が手指についたときはすばやく洗浄しましょう。

また、ブタ肉や鶏肉は、加熱処理や冷凍処理してから食べることがトキソプラズマの予防になるので、確実に実行してください。

      
   ☆ オーシスト
      ネコ科動物の腸管で有性生殖で形成され、糞便とともに排泄される。特に仔猫で多い。
      成熟オーシストは12μm×10μmになり、2個のスポロゾイトを持つ。

   ☆ 増殖型
      感染初期にみられ、7μmで血球以外の有核細胞に感染し、無性生殖で増殖して胎盤感染を起こす。

   ☆ シスト

      感染慢性期に宿主細胞内の増殖型より形成される。
      シストの大きさは多様で、100μmまで成長するものもあり、数百〜数千の虫体が入っている。
 



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マイクロチップについて

3月11日の東日本大震災においては多くの人も動物も被害に遭いました。9ヶ月も過ぎてもまだ復旧復興にならずみな様ご苦労しております。犬猫は飼主と離ればなれになり亡くなったり、また飼主に会えないものも多くおります。動物救援センターの犬猫も飼主が解らず新しい飼主も見つからず、さびしく生活しております。
 狂犬病予防法では畜犬登録をして首輪などに鑑札をつけることになっております。さらに毎年の狂犬病予防接種の済証をつけることになっております。しかし多くの人はつけず10〜20%位しかつけておりません。動物愛護管理法では所有者を明らかにする名札、刺青やマイクロチップなどの標識を付けることになっております。災害時には名札、鑑札などを犬の首輪など体外につけておいても失うことが多く役立たないこともあります。
マイクロチップは10o×2o位の棒状でガラスなどに覆われたもので、15字数が記載されている。


 
      ISO規格を使用すること

リーダーで読み取りが可能でこの数字は世界に一つしかないのでしっかりした所に登録しておけば地球上どこでも調べてもらえば確認できます。日本ではAIPOが管理しています。マイクロチップは、犬猫では肩甲骨の部位の脊髄のやや左側に挿入しており、調べるとき解りやすくしております。
マイクロチップは一般に診療時に使用する針より太いですがよく切れるので動物はあまり気にしません。部位によっては痛みと出血はしますが適切に使用すると出血もありません。しかし2〜3週間は組織内での固定が不安定のため8p〜15p位移動しますので挿入部位を一定にしておくことが大切です。

 
        犬への挿入孔で出血は無い

読み取りリーダーによりますが、一般的な手動式は4〜8p位の距離で読み取れます。パネル式の大型のものでは20〜30pで読み取れます。
 
        読み取り距離を測定

飼主名、住所、動物種、名前、色、生年月日などインターネットでも解ります。日本から犬猫を輸出入する時、動物検疫所では個体識別にマイクロチップを使用しており、輸入した場合AIPOに登録してください。その時狂犬病抗体の検査も必要です。
日本での犬猫へのマイクロチップの初めての使用は約10数年前ではじめてみると動物病院で使用している注射針に比べマイクロチップ挿入時の針は太いので獣医師はじめ飼主もビックリして抵抗感があり、痛そう、かわいそうという考えも多くあり、麻酔が必要という人もおりました。そのためか現在は若い犬猫の避妊、去勢手術時にマイクロチップを挿入することが多い。特に地域猫の場合、再手術の失敗をしないために、手術確認のために耳の一部切断とチップの挿入がみられる。

 
          マイクロチップと針

安心安全確認のために30gの十姉妹やセキセイインコなどの小鳥や100gのテラピア(魚)にチップを挿入した。これには少しの知識と技術が必要であるが挿入後何不自由なく5〜10年生存していた。
 
        十姉妹のレントゲン写真


          十姉妹の測定

それに比べて1000g以上の犬猫はより安全である。その時、血液検査では針が刺さるため組織を少し痛めるので関連のASTやCPKが上昇するが数日で戻る。レントゲンやMR、CTの撮影でも問題はない。この数年AIPOの登録数は年間10万頭位で、今年は震災のためか少し増加している。
ペット販売時に挿入されているが、まだペット販売数の1割以上かと思われる。しかし、現在日本の犬猫でみればまだ数%である。チップ挿入時には4〜8千円位費用がかかるが安全で確実な個体識別がで きるので多くの飼主が使用して頂けると迷子になった時や災害時に役立ち飼主の元に早急に確実に帰れるものである。それにはAIPOへの登録も必要。
費用は1,000円で一生有効である。狂犬病予防法の畜犬登録にマイクロチップを導入したり、動物愛護管理法の中でも家庭動物への導入を明記することも今後必要と思われる。
犬猫と人との関係が良くなりますように、マイクロチップの導入を進めましょう。 
              O.S

 
         犬のマイクロチップ読み取り

 
         テラピアのレントゲン写真



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"冬から春にかけてのイヌとネコの疾病"

 一概にこの季節のイヌの健康についての注意点といっても、個体によってさまざまです。犬種によっては成犬になっても体重がわずか1キログラムほどしかないものもいれば、50キログラムを優に超すものまでいるイヌを、ヒトと同じように理解することは困難といえます。家畜からペット、そして現在は家族としてヒトと長く親しみ共に生活するイヌの健康について、少しでも理解する気持ちで読んでください。

   
     湯たんぽを抱いて気持ちよく熟睡する猫たち

皮膚病について
 1. 寒くなり、ノミやダニはもういなくなっているだろうと安心してはいけません。
   ノミは室内環境により冬でも繁殖し、成虫になり犬猫や人にも寄生します。今年のように暖かい晩秋では、外部寄生
   虫の繁殖がまだまだみられます。月1回の予防薬(スポット剤など)を追加して投与しましょう。
 2. 家の窓や壁に結露がついていたら、体表を注意して見てください。
   暖房による必要以上の室温の上昇と加湿で、体表にカビ(真菌属)の菌などが繁殖し、進行すれば痒みはもちろん、
   睡眠不足や食欲不振に陥ります。また、皮膚の弱い飼い主や同居する幼児・高齢者に、白癬菌が感染する場
合もみ
   られます。
   ときどき窓を開閉して空気を入れ換えるだけでも、ヒトと愛犬の健康管理のひとつとなります。

内科について(呼吸器病)
 1. 外気温が15度以下、湿度が30パーセント以下になると、ヒトと同じようにイヌも呼吸器系のウイルスの繁殖が盛んにな
   ります。
   寒さで体温が低下したイヌの免疫機能が崩れ、感染に対する抵抗力も低下します。アデノウイルスなどの上気道の
   呼吸器病が発症するのは、ヒトのインフルエンザの発症メカニズムとまったく同じです。ヒトもイヌも「動物」という同じ
   生きものであるという事実を認識していれば、おのずと理解できると思います。
 2. 石油ストーブを使用している家庭で、給油ポンプから床に垂れた油を舐め、急激な 顔面肥厚や嘔吐などのアレルギ
   ー症状を発症するケースがあります。
   家庭内に危険なものが落ちていないか、飼い主の少しの注意で事故は防げます。
 3. 正月休みなどの休暇で家族がそろい、みんなが愛犬に食事をついつい与えていませんか?過食や食あたりによる食
   中毒で下痢や嘔吐を引き起こす場合があります。特にタマネギ、ニンニクそしてチョコレート類等が原因になります。
   また、子供や来客などのヒトの出入りは、若齢犬や老齢犬にとって負担になります。睡眠不足から心不全になったり、
   室内外の温度差や喫煙者の多い家庭では喘息の発作が起き、死に至ることもあります。寒さや温度差は循環器障
   害(咳、開口呼吸、肺水腫など)や泌尿器障害(頻尿、血尿、膀胱炎、腎炎など)を起こしやすいので、しっかりと休息
   ・睡眠がとれる環境を整えてください。


  
   散歩中 咳と呼吸困難になったシーズー・心肥大と肺水腫

口腔内火外科について
 1. 電気ヒーターによる低温火傷に注意しましょう。また、永久歯に生え変わる生後5〜6カ月前後の子イヌは口腔内が
   痒くなり、季節がら電気ヒーターや電気炬燵などのコードをかじって口腔内火傷をすることがあります。コードなどの
   取り扱いには十分注意が必要です。
 2. ヒトの出入りが激しく多忙な時期には、飼い主の足元にまとわりつき、打撲や骨折などのケガにつながることがありま
   す。 特に小型犬は高い所から飛び降りて前肢の骨折をおこしやすいです。 イヌも注意散漫になり、布団などに爪
   を引っ掛けて折り、出血と痛疼といったケースも多くあります。目を離す時間が多いときは、ケージやサークルなどの
   安全な場所に移動してあげることも大切です。


 
   1月1日 飼主の膝から飛び降り骨折したトイ・プードル

◎ 眼科について
 1. 室内の乾燥やハウスダストにより、眼瞼結膜炎や花粉症のような結膜アレルギーで充血をおこす場合があります。
   痒みが重度になると、足で掻いて眼球に傷をつけ、創傷性角膜炎や最悪の場合は一晩で失明に陥ることもあります。


   
     鼻気管炎から角膜炎と鼻道粘膜炎で苦しむ猫

 2. 風の強い日の散歩は砂埃などが多く舞い、眼に入るので注意しましょう。散歩から帰宅したらすぐに点眼薬を使用し
   てください。
   1と2ともにいえることですが、常備薬として2〜3種類の点眼薬を、ホームドクターに用意してもらうとよいでしょう。
   若齢・老齢によって季節疾病はまだまだ多くありますが、本格的な冬になる前に、忘れていた混合ワクチンの接種や
   駆虫、血液検査など、最低限の検診を信頼のおける獣医師から受けておくことも、飼い主の愛犬に対する愛情の1つ
   と云えるでしょう。                                                (T・M)




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犬の適正飼養講習会について
日本では人と動物との係わり方が急激に変化しています。昭和時代では犬は番犬からペットになり、平成時代になってからは伴侶動物、コンパニオンアニマルになりました。今や犬猫は家族の一員になり、人の生活において楽しみやうるおいなど多くを与えるかけがえのない存在になっています。
昭和48年に、「動物の保護及び管理に関する法律」ができ、「動物の愛護及び管理に関する法律」に改名し、第5条 第4項の規定に基づき「家庭動物等の飼育及び保管に関する基準」をつくり、平成18年に現行に改正されました。
 「家庭動物等の所有者(飼主等)は命あるものである家庭動物等の適正な使用及び保管に責任を負う者として、動物の生態、習慣及び生理を理解し愛情をもって家庭動物等を取り扱うと共に、その所有者は家庭動物等を終生飼養するよう努めること。」
「所有者等は人と動物との共生に配慮しつつ、人の生命、身体又は財産を侵害し、及び生活環境を害することがないよう責任を持って飼育及び保管に努めること。」
「家庭動物等を飼育する者は飼養に先立って上記の知識の習得に努めると共に、将来にわたる飼育の可能性について、住宅環境及び家族構成の変化を考慮に入れ慎重に判断する。」
「飼養者は家庭動物等の糞尿その他汚物、毛等の適正な処理を行うとともに、飼養施設を常に清潔にして、悪臭、衛生、動物の発情の防止をする。又、やむを得ず飼育動物を継続して飼えない場合は適正に飼育できる人に譲渡するか行政に引取りを求める。」「仔犬の場合、譲渡は離乳前ではなく、社会化が十分に図られた後に行う」など法的に決められております。
 現代の日本においては、上記のような法律や基準は広く知られておらず、飼主が所有動物に対する初歩的な知識を持たず飼育されている場合が多くみられるのが現状です。犬は家族の一員とし認められてきたが社会の一員としてはまだ十分に認められていません。
飼主の社会的責任として、法律で決められている狂犬病予防注射や登録は当然として、混合ワクチン、内外寄生虫の駆除も人と動物の健康予防に必要です。
糞尿、被毛(悪臭)の処理、咬傷予防のためのしつけや放し飼いをやめる、不妊・去勢手術や個体標識も災害の対応時に必要です。
 一方ペットショップなどは、幼若動物の社会化を親元で学ばせ、駆虫、ワクチン、そして栄養をつけて適正管理をしている。購入希望者には犬の日令から生態、習慣などを十分に説明し納得してから販売するようになっています。
現在動物を飼われている人、これから飼育を考えている人、動物取扱業、動物関連学校の生徒、動物愛護推進員等、みな共通認識を持ってそれぞれの役割分担をしっかりすることが大切です。
人と家庭動物である犬が仲良く楽しく、安全に安心して永く生活できるように、本会は各分野の専門家を講師にして上記の事がよく理解できるように具体的な例などをつかって今年も都内数カ所で集中講習会を予定しております。
講習会の日時、会場等の案内は7月中旬には本会のHPに記載しますのでご参加ください。
社団法人東京都家庭動物愛護協会
会長 須田 沖夫



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災害時の動物救護対策について


自然災害(地震・水害・火山噴火・気候異常など)は、いつどこで発生するか解らないことが多い。人為的な災害(戦争・原発・油流出など)もある。
災害対策基本法があり、防災行政責任の明確化がされ、国、都道府県、市区町村、住民等の責務がある。住民に密着した市区町村長の権限が強化されている。
総合的防災行政、計画的防災の推進、基災害等に対する財政援助、災害緊急事態に対する措置などを明記している。住民は自ら災害に備えるための手段を講ずると共に、自発的な防災活動に参加するなど防災に寄与するように努めなければならない。


          ↑95’阪神大震災

自らの「命」は自らが守る(自助)しかし残念ながらこの法律は動物救護に関する規定はない。防災基本計画には、防災業務計画及び地域防災計画において重点をおくべき事項の中に、災害時における動物の管理(衛生を含む)及び飼料の需給計画に関する事項がある。被災した飼養動物の保護収容、避難所等における飼養動物の適正飼養、危険動物の逸走対策、動物伝染病予防上必要な措置並びに飼料の調達及び配分の方法に関する計画がある。

「動物の愛護及び管理に関する法律」には災害時における動物救護に関する規定はない。 平成18年に「動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針」の中に災害時対策があり、現状と課題として地震等の緊急時においては、動物を所有又は占有する被害者等の心の安らぎを確保、被災動物の救護及び動物による人への危害防止等の観点から被災地に残された動物の収容及び餌の確保、特定動物の逸走防止及び捕獲等の措置が地域住民、国や地方公共団体、獣医師会、動物愛護団体等によって行われてきている。今後共引き続きこれらの措置が関係機関等の連携協力の下で迅速に行われるようにするための体制を平素から確保しておく必要がある。

被害は災害の種類、程度によって対応法が異なるが、人命救護が最初になり治療はトリアージが必要でペットも同様。

講ずべき施策として
(ア)地域防災計画等における動物の取扱等に関する位置付けの明確化等を通して、動物の救護等が適切に出来るような体制の整備を図る。
(イ)動物の救護等が円滑に進むように逸走防止や所有明示等の所有者の責任の徹底に関する措置の実施を推進すること。
又、緊急災害時動物救援本部の立ち上げも必要。

東京都における災害時動物保護体制が既にあり、動物保護施設を作りそこに動物救護本部活動拠点をおいている。この救護本部の加盟団体は、(社)東京都獣医師会、(社)日本動物愛護協会、(社)日本動物福祉協会、(公社)日本愛玩動物協会、(社)東京都家庭動物愛護協会とボランティア等である。

行政側は東京都動物愛護相談センターが担当し、動物保護班と、動物医療班がある。
これらが被災動物等の保護、収容、搬送、情報提供、連絡調整等を分担して行う。


         ↑収容所のクレートで生活する被災動物

近年は区市町村における災害時動物救護対策について、地域防災計画において愛護動物の保護等に関する規定があり、2010年11月には東京都において、23区31市町村(54/12)で地元と獣医師会とで協定を結んでいる。

住民に最も身近な基礎自治体としての立場から、住民の理解と協力を得て被害者と犬猫等の同行避難と人と動物との同居避難所生活を計画している。災害時にあなたとあなたの犬猫等が安全に安心して避難するには平時よりの準備が大切です。

〇人が安心、安全に暮らせる準備と対応
〇突発的な地震や火山噴火、台風などの水害も正しい情報の確保が必要ですので平時より準備しておく
〇家の耐震強化、家具の固定などをし、ガラスが壊れ飛び散らないような対策も必要
これらは犬猫にとっても安全のために必要です。

犬猫等は健康チェック、病気の場合の診断名や内服薬、そして処方食を3〜5日分はすぐ解るように準備しておく。 避難する場合、ケージに入れるかリードをしかり持ち安全な場所に移動する 又、避難所や仮設住宅、集合住宅での生活を考え、公衆衛生のために排便、排尿等のしつけとケージ内でおとなしくしており他人に吠えないようにしつけておくこと。 又、犬猫はノミ・ダニ等の外部寄生虫やフィラリア回虫、ジアルシア等の内部寄生虫の駆除も定期的に行っておく。

狂犬病は当然として、犬は7〜8種、猫は3〜5種のワクチンも定期的に接種しておく。 個体識別も大切で、迷子になった時保護された犬猫は、個体識別がされていれば所有者に素早く連絡することが出来る。


              ↑行方不明のペットを探す張り紙

犬なら畜犬登録をして狂犬病ワクチンを接種しているため、鑑札と注射済票を首輪に固定しておくか名札を付けておく。もっと確実にはマイクロチップを体内に挿入しておきAIPOに登録しておくと良い。 猫は平時より首輪をつけ名札を付けておくかマイクロチップを入れておく。もしも犬猫が迷子になったら、写真があれば捜索時に便利です。

避難時は知らない、慣れない場所に多くの人や動物が集まるのでマナーが大切である。
これは飼主の責任であり、他人に迷惑をかけないようにしつけと身体のケア、そして予防的措置をしておく。 又、地元での避難訓練などに積極的に参加し地域の人や動物と顔見知りにしておくこともあなたと動物にとって大切である。 又、集団で密着した生活になりますので去勢・避妊手術を実施しておくことも大切です。

災害時対策は、災害ごとに問題点がみえ、一歩一歩良い方向に進歩するものです。




(社)東京都家庭動物愛護協会は東京都の動物救援本部の基幹団体です。
会員は臨床獣医師、動物取扱業(訓練士、トリマー、ペットショップ等)の専門職が主体ですので、自覚を持ち飼主さんの指導等を平時よりお願いします。

又、東京都動物愛護推進員の方も数十名おりますので避難所等での犬猫の取扱指導や動物嫌いの人とのトラブル解決、防止等に努めてください。都民にとって家庭動物の飼育形態は多様ですが家族の一員になっております。災害時に危険場所より安全に同行避難が求められます。災害異常時には人も動物も不安定になっており、動物と同居又は近くにおりいつも接することで飼主に精神的、肉体的そして社会にも良い影響を与えます。そのような体制作りを目標に本会は活動しましょう。

O.S
(平成22年2月20日 都適正飼養講習会を参考に)




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イヌ糸状虫症
 
糸状虫症の仲間は哺乳類に多く認められ、種特異性がある。
イヌ糸状虫はイヌのほか、ネコ、ヒトにも感染する。イヌ糸状虫は、犬の心臓や血管に寄生し、成虫の雌は約30cm、雄は15〜20cmにもなる大きな寄生虫である。雄雌が交尾すると幼虫は雌の体内で孵化し、そのまま雌の体内にいるが、成長すると血液中に放出される。これがミクロフィラリアで、全身の血液中に流れて行く。
夜間、末梢血に多く出現する。この時、蚊(トウオウヤブカ、シマヤブカ、アカイゴカ)が吸血すると同時に、ミクロフィラリアが蚊の体内に取り込まれる。2回脱皮し、0.2oくらいに成長すると蚊の吻に集まり、吸血時にイヌ等の皮膚に侵入する。皮下組織、筋肉に数カ月おり、その後血管に入り、心臓に達し約6カ月で成虫になる。


イヌの場合
 
イヌの心臓や肺血管に寄生するので、心臓が拡大したり血流を妨げるため血液循環障害を起こす。
 運動を嫌がり、散歩しても疲れやすくなる。階段が登れなくなる。興奮する時や、早朝に乾性の咳をする。肝臓の肥大、腹水、浮腫、肺動脈の塞栓のため血色素尿をする、寄生部位の細い肺動脈が破れ喀血をするなど、その寄生数や部位によって様々な症状を起こす。寄生率は地域や飼主によって大きな差を認める。

検査法 イヌやネコの場合
 1. 末梢血中のミクロフィラリアを鏡検。直接法、集虫法がある。
 2. フィラリア成虫の抗体を検出するのが一般的である。
 3. レントゲン検査で心臓や肺動脈の拡大、変形をみる。
 4. エコー検査で心臓の異常やフィラリア成虫等を見つける。

治療 イヌ、ネコの場合
 内科的には、成虫駆虫剤、砒素剤の静脈注射か筋肉注射を1日1回、2日間連用する。
幼虫駆除剤は毎月1回を、蚊の発生時期と1ヶ月後に投与するのが一般的である。半年おきの注射剤もある。症状のある個体には、それに適した薬剤を投与する。
外科的には、心臓よりフィラリアを直接摘出する。症状によっては、頸動脈より肺動脈部や心臓内のフィラリアを摘出する。
 動物病院でよく診察して説明を受けてください。

予防
 フィラリアが寄生している蚊に吸血されないこと。現実にはフィラリア寄生の有無と他の一般的な血液検査で調べ、健康体であれば毎月駆虫剤を投与することが一般的で確実である。


人間の場合
 
近年、中高年齢者の健康診断で、胸部X線写真上で肺に孤立性円形陰影を認められ、肺の腫瘍や肺結核との鑑別が問題になることがある。また、1997年より胸腔鏡手術が保険適用となり、フィラリア症の報告例が増加している。健康診断において、レントゲン検査で胸部の陰影が発見され、その陰影が腫瘍と鑑別困難であるために切除され、病理診断で初めてイヌ糸状虫症と診断されることが多い。 咳や感冒様の咳が続く症例で、胸部単純X線検査を行うと、胸部に円形陰影を認めることがある。孤立性の境界明瞭な結節像が多い。結節は10〜50mmである。これは虫体が肺動脈を閉塞する場所、閉塞してからの経過時間による肺の閉塞範囲、肺の壊死状態が結節の大きさに関係しているので、孤立性でなく、多発性や空洞化のある場合もある。胸部CTで腫瘍陰影を確認する。しかし、CT上では肺癌や肺転移腫瘍、結核との鑑別が出来ないので、気管支下生検を行う。
 血液検査では多くの場合特異的変化がなく、時に好酸球増加症やフィラリア抗原皮内テストで陽性を示す。
 治療は駆虫剤の投与と対症療法である。予防はフィラリアが寄生している蚊に吸血されない。

 イヌはじめネコも人も蚊に刺されイヌ糸状虫症(フィラリア)に感染し、発病することがあります。愛犬は毎年、蚊の発生前に血液検査でフィラリアの寄生の有無を調べてから、駆虫剤を毎月投与し、蚊がいなくなって1ヶ月後に最後の投与をします。採血したので同時に健康診断として血球、肝、腎などの検査をすることが愛犬のためです。


 人と犬猫が健康に仲良く生活できますように。

 定期的健康診断、可能なワクチン接種、駆虫薬投与を・・・・





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ノミ症

形態、生態
 ノミは節足動物門・昆虫網・隠翅目(ノミ目)に属し、ノミ科とスナノミ科がある。
世界中に約1,500種、日本にはそのうち約80種が存在する。ノミ科は皮膚病等の疾患に関与する。
 光沢のある褐色ないし暗褐色の昆虫で翅はなく、体の左右は扁平で、頭、胸、腹の3つの部分からなっている。体長は1.5〜2mmで、メスはオスよりも身体が大きい。
歩脚はよく発達し、特に後脚が発達しており、種類によっては30cmくらいも飛び跳ねることができる。成虫の口器はメス、オスとも刺す型で、宿主の血液を吸引するのに適している。
 卵は直径0.3mm程の白色の楕円球状で粘着性がある。幼虫は白色の細長いウジ虫状で体長4〜10mmに達し、体表には剛毛があり、活発に動くが、向暗性で明るい所を嫌う。幼虫の餌は有機物で、その多くは成虫の排泄した糞である。ノミの生活環は、完全変態で、成長速度は環境によって長短があり、通常は3〜4週間である。成虫は1年以上生存することもある。
   
 ノミはある宿主を他の宿主より好む習性があるが、はっきりした宿主特殊性はない。昭和20年代はヒトにはヒトノミの寄生が多かったが、昭和40年代になるとイヌノミの寄生が多くなった。しかし、昭和50年代以降はヒトをはじめイヌ・ネコともネコノミの寄生が主流となってきている。また、以前は春から秋への発生が主であったが、現在は冷暖房など住宅環境がヒトや動物にとって快適になると同時にノミにも好環境となり、1年中発生がみられるようになり、多くの被害をもたらしている。


犬猫の場合

感染経路
 動物病院の外来を受診するイヌ、ネコの数%は、ノミ寄生による病気である。その内半数以上は条虫感染や皮膚症状を伴っている。

症状
吸血時の直接被害
 ノミが吸血時に皮膚を刺し、同時にその唾液などの分泌物を動物の皮膚内に入れるのでその部分に丘疹ができ、痒みを伴う。夜、特に痒みを増すことが多い。そのため、掻き傷などのため皮膚に二次感染を起こし、病変を悪化させることもある。ノミ寄生のため苛立ちと食欲不振などによるストレス状態を引き起こすことがある。さらに進むと、脱毛、やせ、貧血を起こし重症となることもある。

吸血によるアレルギー反応
 遅延性のアレルギーは生後3〜4歳齢からよく起こり、背部、腰部に粟粒性の結節を多数つくり、薄毛になり、皮膚の色が黒茶色と変わり、強い痒みが起こる。また、その部分の皮膚が肥厚することもある。

  
          
 
二次的病害
 ノミは瓜実(うりざね)条虫、縮小条虫の中間宿主となるので、イヌやネコなどに条虫類を伝播する。

治療法
 ノミ成虫の駆除は、粉、首輪様、外用薬などある。動物病院でその動物に適した薬剤を処方してもらってください。


検査法
 ノミの成虫・幼虫や卵を検出する。種の同定は外観上の違いを顕微鏡で調べて行なう。
ノミの糞は黒褐色の棒状の固まりである。疑わしい固まりを白い紙の上に置いて水を一滴たらすと、ノミの糞であれば赤茶色のしみができる。

ヒトの場合
感染経路からの感染
 ノミを寄生しているペットを抱き上げたときなどに、ノミの成虫がヒトに飛び移って吸血する。

環境を介した感染
 ノミの成熟蛆は動物が近くに来るのを待ちかまえており、動物を感知すると素早く脱皮し、すぐさま成虫となってヒトや動物に飛び移り、吸血を始める。

症状
吸血時の被害と二次感染
 吸血時に皮膚を刺す物理的刺激と、同時に唾液などの分泌物を出すことによる化学的刺激があり、皮膚に痛みと痒みを引き起こす。刺された皮膚には紅班や大型の紅色丘疹が突発するが、個々の発疹は数日で治癒する。(左下の写真)
痒みのため爪などでひっかいたりすると細菌が二次的に感染して化膿が起こり、再度発疹が生じることもある。これを繰り返すと皮膚炎が慢性化してしまうこともある。(右下の写真)
感染動物からの感染では主に上肢に、環境からの感染では主に下肢に発疹を生じる。

        

病原体の伝播
 ノミがペストや発疹熱などの病原体を媒介して、ヒトに重大な被害を与える
 ことがある。
 最近はネコひっかき病がネコノミ刺傷から発病することがある。多くはイヌや
 ネコからの受傷が主であり、皮膚の厚桔や膿胞とリンパ節腫大を認める。

治療法
 ノミ吸血による直接被害に対しては、その部位を清潔にして二次感染を予防する。
 二次感染などで痒みがあるときは、医師の診断を受け処方薬として抗生物質軟膏
 と抗ヒスタミン軟膏などを併用する。

予防法
1)同居している動物からノミを駆除し、またノミの発生を予防する。
  シャンプー、パウダー、スプレー、首輪、ムース、滴下式(スポット式)などの
  成虫駆除剤がある。近年、卵から成虫になる途中の脱皮を阻害する、動物用
  内服薬も発売されている。動物医薬品であるので動物病院で診断し、それに
  適した薬剤を購入するように。
2)住環境からノミを駆除する。
  寝床を清潔にする。
  ダニスプレーを床の上に散布する。
  毎日掃除機をかけ、虫卵や幼虫を物理的に除去し、清潔にしておく。
3)雌の成虫は卵を持っているため、指でつぶして殺すと卵が皮膚などに付き、
  生存を助ける恐れがある。粘着テープにつけるか消毒液につけて殺滅する
  ほうが安全である。



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Zoonosisとは ―現状とペットの咬・掻傷、感染症の予防―
           日本大学医学部病態病理学系 荒島 康友


ZoonosisはWHOの定義では、人と脊椎動物の間で自然に移行する疾病及び感染症である。One World、One Healthの概念の1つと云われている。 「感染症を予防するために必要なことは、感染症に関する正しい知識を持ち、感染症予防に適した環境を作り実行すること」で、知るワクチン≠ニ近年云われている。

Zoonosis人獣共通感染症の感染に係る因子は
―ヒト側の要因として、
@ 老化、糖尿病、その他の病気に伴う身体の抵抗力低下
A 高齢化社会、核家族化、高齢者の一人暮し
B ヒトとペットの絆(精神衛生面)
C 飼育目的の変化(室内での家族化)

―動物側の要因として、
@ペットブームによる飼育動物数の増加
A野生動物の飼育志向、エキゾチックの密輸入、未知的動物の増加
Bペットの小型化、室内飼育、接触機会の増加

―環境側の要因として

@生活環境の変化、ビル化、個室化、室内飼育化、小型化で抱上げ、口づけなど密接に進む
A食品の多様化、いかもの食い、グルメ志向、家畜の効率的飼育で耐性菌の増加
B交通機関の発達、疾患伝播の増加、潜伏期間内に帰国など
これらの因子が単独ではなく複数に絡まって感染症が起こる。

イヌによる咬傷事故は、イヌの本能や習性をよく理解せずに接したため突発的に起こることが多い。
飼い犬や他人の犬が半々である。
主な咬傷部位は、手50%、大腿・下腿部と顔部と頸部16%、上腕・前腕等12%である。

ネコによる咬傷部位は、手63%、上腕・前腕23%等である。
咬傷時の感染症の臨床的判断基準は、発熱、疼痛、リンパ管炎等である。
犬猫による代表的な感染症は、狂犬病であり世界中で発生している。発生のない国は僅か十か国位である。

日本での感覚で海外に行き、犬などに接して咬まれ、狂犬病で亡くなる人が稀にいるので十分に気を付ける。発症するとほぼ100%亡くなる。又、日本では犬の狂犬病ワクチン接種は法律で義務化されており、未接種犬は罰金刑になるので、是非飼い犬には毎年接種をするように願いたい。

パスツレラ症 イヌの咬傷が主でペットの口腔内中にパスツレラ菌が高率(犬75%、猫ほぼ100%)に存在する。
糖尿病、肝障害(アルコール)、呼吸器疾患、高齢者は発病の可能性が高い。病状は軽い風邪様症状から重症肺炎までみられ、有効な抗生剤投与で回復する。

猫ひっかき病
ネコ、イヌそしてノミから感染する細菌性感染症である。数日から2週間程の潜伏期間後、受傷部位の丘疹や膿疱、発熱、疼痛さらにリンパ節の腫脹を認める。リンパ節腫脹1〜3週間後、突然の痙攣発作や意識障害で脳炎を併発する場合も時にみられる。適切な抗生剤投与で回復するので早期に医師の診察を受ける一方、爪切りやノミ対策も十分にしておく。

カプノサイトファーガ感染症
話題の病気でイヌ・ネコによる咬傷後、診断・治療が遅れると亡くなる人もまれにみられる。
イヌ・ネコの口腔内の常在菌であるので、いつ感染するか解らないので脾摘、アルコール肝障害、糖尿病、ガンなどの人は特に注意が必要である。
咬傷後2〜7日の潜伏期間後に発症し発熱、敗血症、腎不全、髄膜炎、DICなど起こし死亡することもある。適切な抗生剤の早期投与が必要である。
現在医師、獣医師の認知度が低い。発病は稀であるが死亡率は高い。経過が急のため「昨日元気で今日ショック」と云われ健常者でも発症する。
診断に時間がかかるので咬傷の有無を医師に連絡すること。又、咬傷時に傷の洗浄と予防的に適正な抗生剤投与が有効と考えられる。

Zoonosisは獣医師から飼主への感染予防の啓発指導と医師の適正な診療が大切である。





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狂犬病について(その1)


狂犬病は人と動物との共通感染症Zoonosisの代表的な病気で今も世界中で発症している。狂犬病を発症した犬の口腔内には狂犬病ウイルスがおり、その犬に咬まれた人はじめ哺乳類は感染し多くは発病します。発病すると狂犬病ウイルスは神経親和性があり、末梢の神経から中枢神経(脳)に侵入し発症します。精神的不安定になり、性格や行動に変化を起こし、走り回る、倒れる、よだれを流す、興奮して物に咬みつくなど症状が現れます。食事も水も摂れなくなり虚脱状態になり、5〜7日で亡くなります。

現在、人も動物も発症後の治療法は無く、ほぼ100%亡くなる恐ろしい病気です。
日本、台湾、ハワイ、イギリス、北欧など約10ヶ所の国、地域は狂犬病清浄国ですが、アメリカ、フランスはじめ中国、インド、タイ、フィリピンなどでは毎年5〜6万人の人が狂犬病で亡くなっております。いつ日本に再侵入してくるか解りませんので日本では狂犬病予防法で全ての飼犬に狂犬病ワクチン接種が義務化されております。 4月に各地の公園等で、定期集合注射をして行政や獣医師会が狂犬病ワクチン接種をしております。
東京都内を中心に、公園等から動物病院に会場を変更している場合もあります。又は、かかりつけの動物病院ではいつでも接種が可能です。

接種前愛犬の健康チェック

○元気  ○疾病の治療中
○食欲  ○発情、妊娠、授乳中
○嘔吐  ○一年以内のてんかん発作
○下痢  ○アレルギー体質
○発熱  ○強度の興奮状態
○以前予防接種で異常あり
○他のワクチン接種1か月以内 など

身体異常があれば獣医師に報告し、対応をしてから接種します。ワクチンですので接種後、元気がなく、発熱したりして食欲がなくなることもありますが1〜2日で回復します。

日本では50年以上犬の狂犬病の発生はありませんが、人の狂犬病は3例報告があります。みな海外で犬に咬まれ、治療の効果なく死亡しました。
人が犬に咬まれた場合は直ちに水道水で傷口を洗い、狂犬病ウイルスはじめ病原菌や異物を洗い流した後に医師の診断を受けてください。

狂犬病の可能性がある場合は暴露後発症予防のために人用の狂犬病ワクチンを接種します。又、破傷風のワクチンも接種し抗生剤の投与も同時に行います。海外では異常行動をしている犬など、やたら手を出さないことが大切です。
狂犬病予防注射済票が発行されますので、畜犬登録と同時に首輪に固定しておきましょう。迷子になった時や災害時に役立ちます。

 
              ↑鑑札がついた首輪

又、ドッグラン、ドッグカフェ、ペットホテルや人と同じホテルに泊まる時も、狂犬病ワクチンは当然として、混合ワクチン、フィラリア、ノミ、ダニ、腸管寄生虫の駆虫は家庭犬飼育者として受けておいてください。

日本では狂犬病接種率が低いので、万が一狂犬病が再侵入した時に流行する可能性があります。狂犬病ワクチンと混合ワクチンは、外出先で証明書の提示を求められる場合もありますので、確認をしてご自宅では分かりやすい所に保管しておきましょう。
人と動物(犬)が安全に安心して楽しく生活するためには狂犬病ワクチンを毎年接種しておきましょう。

(狂犬病デー、厚生労働省等参考)
O.S




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咬傷や引っ掻き傷等の防止法とは
               日本訓練士養成学校教頭 藤井 聡

犬は群社会の動物で上下関係の上での人との信頼関係が重要です。

○犬の一生に最も影響を与える時期
犬の一生には新生子期(生後2週令〜80日)、過渡期(2週令〜4週令)、社会化期(4週令〜12週令)、幼若期(12週令〜1年令)が大切で、その後成犬期、老犬期等に分けられる。
特に社会化期が大切で、周囲の環境に興味をもち人との絆を築くのに良い時期である。特に5〜8週令が最も大切であり、犬種や個体によって時期に変動がある。この時期の犬は社会環境を意識するようになり、他の犬(特に同じような週令犬)を強く意識し、環境に順応しやすく犬の性格が作られる時期である。

犬が従順誠実で人や犬に対しても好意的な行動をし、将来に於いて飼主との強い絆と信頼感を築くようになれる性格をつくるためには社会化期における社会化(環境馴致)と密なる人との拘わりと、飼主のリーダー的対応の仕方が必要で、犬の一生で最も重要な管理時期である。このため8週令位まで繁殖家のもとで母犬や兄弟犬と生活して、複数の人に正しく接することが大切である。

猫においても同様で、生後1〜2ヶ月の間に5人以上、男女、老若子など様々なタイプの人に接することが重要と云われている。

○訓練は服従本能を発達させる為の服従訓練
訓練とは声符、視符(命令・指示)があって初めてその通りの行動、動作に従うものである。
劣位の者が優位の者に従い、優位の者は劣位の者に従わない。しつけの三大基本は主導的歩行法、拘束静止法、体端部接触馴致脱感作法である。
犬の問題行動、特に権勢症候群の矯正については愛情遮断と無視が必要である。

○権勢症候群の一般的行動
■ 散歩に連れ歩く時、いつも先頭に立ち行きたい方向に引っ張る犬
■ 他犬とすれ違う時、吠えたり攻撃的な犬
■ 散歩時、リードを咥える、飼主の足にじゃれて咬む、飛びつく犬
■ よく吠えて飼主の制御を無視する犬
■ 自分のものを取られまいとして威嚇する犬
■ 飼主の手にじゃれて咬む犬
■ 飼主に尿をかける犬
■ 呼んでも来ない、命令しても無視する犬
■ 食餌中に人が側に寄ると威嚇する犬
■ 自己主張が強く強情を張る、途中で止まる
■ 排泄後地面を引っ掻く犬
■ 人の肩上にのしかかり威圧的行動をする犬
■ 座布団やソファの上に乗り、どかそうとすると人を威嚇する犬

これらに対して飼主が反応すると人を咬むことがよくあります。
正しい行動療法を行えば完治も不可能ではありません。仔犬の時から毎日の生活の中で飼主が犬と対応する時、犬に甘えずリーダーシップをとることで予防は可能である。そのためには正しい「犬のしつけ法」を学ぶことが大切である。

犬の事が可愛過ぎて幸せにしてあげようと犬の欲求を満たしてあげるための飼主の行動が、犬の言いなりその結果犬の我意を強くし、自己主張の強い傲慢な犬になり年齢と共に飼主は威嚇され、噛みつかれます。この様になると素人では手に負えないので、専門のトレーナーに頼み犬も飼主も訓練を受ける。

行動原因の矯正療法3点セットとして、@去勢(避妊)A断犬歯B黄体ホルモン製剤がありますが、オペラント訓練技法(動機付け・条件付け)として強制することなく自発的、積極的、喜求的にこちらの求める動作をさせる訓練方法が一般的になってきました。

遠い祖先のオオカミから受け継いだ犬の本能や習慣は様々な用途、目的で人為的に改良されましたが現在の家庭犬にも伝承されています。
そのため飼主は犬の本能や習性をよく理解し、飼養管理する必要があります。

正しいしつけができる犬からの咬傷や引っ掻き傷は少ないので人の安全、安心のためになります。犬が社会に認められ、家庭動物として人と楽しく生活できることが重要です。



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ペットのトラブル 熱中症
 
熱中症にご注意ください 
真夏日が続いています。人の熱中症が多発しております。
犬猫は人より体温が高く発汗作用が少ないので、体温調節が苦手な動物です。
予防対策として

炎天下の散歩、運動、野外での繋留は危険ですのでやめましょう。散歩は早朝か夜、道路に直接手を当てて熱くないか確認してから。

人より小さく短足で地面に近い犬や、特に短頭種は熱中症になり易いです。

日中、短時間でも車内に犬猫の置き去りは危険です。

日中、室内で温度調整がなく、閉め切り状態は危険です。 

飲み水はいつでも飲めるように、体重の5%前後の水分を十分に与えてください。

旅行中など昼間外に出る場合は、首に氷など巻いたり、冷たいベストを着せることも予防になります。

脱水状態、高齢、幼弱な動物は熱中症になり易いので注意して下さい。
症状として

呼吸が早く口を開いて舌を出している場合や、体がいつもより熱くなっている。

脱水状態、首の皮膚をつまんで離してもすぐに戻らない。

グッタリして反応が弱い、目がトロンとしている。

横に倒れて、四肢などケイレンを起こす。


このような場合は室内、または車内を冷たくし、体を冷やして水を飲ませ、すぐに動物病院に行くか、獣医師の指示に従って対応してください。




熱中症対策

真夏日が続いたり、春秋でも暑い日に熱中症を起こすことがあります。犬の場合、発汗作用が不十分な
ために開口呼吸で対応しています。毎日体重の5%位の水分が必要です。道路の熱い日中の散歩をやめ、
朝晩涼しいうちに散歩に行きましょう。車内においておくと熱中症になることがよくあります。
また、写真のように水で濡らしたベストを着ける方法もあります。 



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ペットのトラブル 狂犬病
 




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優良お散歩犬マナー


    安全に楽しくお散歩が出来るように

1.   飼主のペースに従って楽しく歩ける。
    
    1.散歩中、犬の頭は飼主の足先より前に出ない。

2.リードはいつもたるんだ状態(J字型)になっている。

3.首輪をしっかりつけ、胴輪は使用しない。

4.ショードックなどは左側歩行が原則であるが、状況に
    よっては右でも左でも歩けるようにしつけてある。

5.畜犬登録や注射済票と飼主所有明記物を首輪に固定しておく。
    (狂犬病予防法)(動愛法)

6.リードを長く伸ばしていない。

7.ノーリードは事故の元であるのでしていない。(動愛法)

2.   飼主の声や身振りに正確に反応できる

1.犬は上下関係のある群れ社会で生きている。飼主家族の中で
  信頼関係の下での主従関係に置かれることで、すぐに正しく
  反応でき、自然に順応している。

2.犬との正確なやり取りは、飼主や地域での安心安全にもつながる。

3.犬も人も全身で意志表現をしている。アイコンタクトといってもいつも
  目と目が合っている必要はない。

3.   他の犬や人に会っても吠えたり飛びついたりしない。

  1.他の動物(人、犬、猫など)、自動車、自転車その他の物音などに異常反応をせず
    いつも落ち着いていられる。

  2.人々の中で共に生活する時、むやみに攻撃的であったり怖がったりしない。

  3.犬や猫を見て吠えたり追いかけたりしない。

  4.雷や花火等の光や音にも落ち着いていられる。

4.  飼主が排泄物などの後片付けをするときなど静かに待っていられる。

  1.排泄物の後片付け時は、立ち止まったり静かに待っていられる。

  2.飼主が知人等と話をしている時も静かに待っていられる。

  3.信号で飼主が止まった時も同様に待っていられる。

  4.公共の場では、公衆衛生、感染症対策上排泄物は速やかに処理することが飼主の義務であり、
    犬が社会に認められるために必須のことである。

5.   ワクチン接種や駆虫剤投与など感染症予防対策をしている。

  1.散歩に行く犬は、感染の危険と感染源を撒き散らす危険の両面があり、

    公衆衛生に気をつけている。(動愛法)

  2.家庭動物は人と接触するので、動物由来感染症対策をする。

  3.狂犬病予防注射は毎年1回接種している。(狂犬病予防法)

  4.レプトスピラ症は人と動物との共通感染症であるので、レプトスピラを含む混合ワクチンを
    接種している。

  5.ノミ、ダニ、カイセン等の外部寄生虫の駆虫剤、回虫、条虫、ジアルジア等の腸管寄生虫の
    定期検査と駆虫剤投与、犬フィラリア症の定期的な駆虫剤投与をしている。

  6.室内犬の場合、家に入るときは足を洗ってから入れている。

  7.咬傷やひっかき傷から人に病原菌が感染することがあるので、その時は流水でよく洗い菌を
    押し出して医師の診療を受けるようにしている

 
 以上5項目がしっかりできている飼主と飼い犬に対して、本会は優良家庭動物表彰の一環として、
 「お散歩マナー優良証」を発行しております。

 本会への申請書には、本会会員病院等のワクチンや駆虫の証明書等の写しをつけて提出してください。

 有効期間は2年間としておりますので、2年以上になりましたら再審査をお受けください。




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ノーリードとポイ捨てについて


犬が人間社会に受け入れられるためには、安全と安心が必要です。
安全のためにはしっかりリードを持って、人々に安心感を与えましょう。
安心のためには排泄した便を持ち帰り感染症予防をしましょう。

 

 

 








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猫の去勢と不妊手術







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彩の国さいたま動物愛護フェスティバル2011

  詳細はちらしをご覧ください ⇒    

動物愛護フェスティバル 彩の国さいたま2011 報告

2011年11月27日動物愛護フェスティバル室内行事がさいたま文学館で開催された。
開会式は桶川市長(代理)金井秀明部長、埼玉県動物指導センター黒崎嘉子所長、そして埼玉県獣医師会高橋三男会長が動物行政、動物愛護、獣医師などについてのご理解、ご協力に感謝を述べていた。
動物への功労者表彰、感謝状授与は十名位の人とふれあい犬や聴導犬なども同行していた。

どうぶつ愛護講座は「動物と幸せに暮らすために」動物を家族として迎える心構えから共に老後を過ごすための注意など、動物と幸せに暮らす工夫を考えることなどがテーマであり動物を飼育する前に考えること、品種、大きさなどで体力、経費などが異なる。購入時の動物のチェック方法は日常の健康チェックにも応用できるので病気の早期発見に役立つ。動物を世話することで人の身体心理(精神)、そして対社会にも良い影響がある。
診療においてもいくつかの選択肢があるのでそのための検査をして病状を調べその対応、治療法もいくつかあるのでそれを決定するのは飼主である。これがインフォドームコンセントで説明と同意である。
犬はじめ動物は人も含めて生命は、いつかは亡くなると云うことを理解していないとペットロスなど精神的ダメージが強くなり立ち直るのに時間がかかる。

災害時対応としては、準備としてしつけや予防(ワクチン、駆虫)、避妊去勢手術そして常備薬、食事、水の確保も必要である。また個体識別のためのマイクロチップの使用も有効であるなど東京都家庭動物愛護協会の須田沖夫が80分話した。本会の会報14号とリーフレットなどを配布した。
「こんにちは聴導犬」は耳の不自由な人たちに必要な情報を教えてくれる聴導犬の訓練や認定、貸与について学ぶ講座であった。聴導犬をつかって実技やその前の訓練法など水越みゆきさんが実演した。
水越さんは本会常任理事の藤井聡さんのお弟子であり来年2月25日(土)の本会主催シンポジウムの講師を務める人である。

9月動物愛護週間中央行事、室内行事の埼玉版の様で埼玉県動物指導センターが主に企画したようであった。職員の斉藤利和次長、大澤浩課長らにはお世話になりました。

東京には同様のものがないので今後考えてみても良いかもしれない。                  O.S
  



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東日本大震災の被災地から   トリトン動物病院 穐山 清健
 
  平成23年3月11日 午後2時46分、東北地方をマグニチュード9の地震が襲い、直後の津波により東北地方沿岸から千葉県沿岸まで甚大な被害に見舞われました。
被災された方々、そのご家族には心よりお見舞い申し上げ、亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します。
  地震発生直後から時間が経つにつれ、被害状況が判明してくると、誰もがその甚大なる被害に驚愕の念を抱くようになりました。さらに、津波による福島第一原発事故の誘発で、放射能汚染の問題が起こりました。
  震災が起こったことにより、まず頭に浮かんだのは三宅島の島民と動物の避難した時の事、神戸の震災時の救援活動の事、新潟の震災時の救援活動の事でした。さて、これから我々がやらなければならないこととは・・・・
電話、メールにて東北在住の同級生、知人、友人に出来る限りの連絡を取りました。
東京ですら、公共の交通機関のマヒが続き、高速道路や首都高速道路の閉鎖が続いている3月14日・月曜日に私の病院に一本の電話が入りました。
「ご相談したい事があって、突然で失礼とは思いましたがお電話させて頂きました」と。その内容は想像通りのもので、福島県いわき市に在住の方が『原発事故により、親族一同、子供たちを連れて東京に一時避難をしてきました。ホテルが取れたのですが、愛犬のラブラドールも一緒に連れてきたいのです、預かってもらえないでしょうか?高速道路は避難住民のみ優先して通行許可を出してもらえるそうなので2〜3日以内に車で東京に連れて来たいのですが』というものでした。
3日後、黒いラブラドール、ココアが尻尾を振りながら病院に入ってきました。
女の子、3歳、遊びたいさかりで誰を見ても尻尾を振って寄っていきます。
 
まずは入院させる前にシャンプーをして放射能汚染対策。次いで問診、身体検査をしてワクチン接種。
飼い主のご家族は私の病院から徒歩で25分ほどの所に宿泊とのことです。できる限り会いに来て、散歩に連れていってやって下さいとお願いしました。飼い主のご家族は毎日、誰かがお天気が悪くてもココアを散歩に連れて行ってくれます。雨の日は飼い主の人も犬もカッパを着てのお散歩です。
いわきの自宅にいるときは家の中を好き放題に走り回っていたそうで、最初は犬舎に入れられると騒いでいました。
1週間ほどで犬舎生活に慣れて、自分の生活パターンを理解し、おとなしく散歩の時間を待つようになりました。食欲はいたって旺盛、ちょっと肥満気味なので食餌療法も。
避難してきたご家族もココアも慣れない地での生活ですが、1週間もすると慣れてきたようです。
飼い主の方にも色々と話が聞けるようになりました。自宅は内陸なので、家が少々壊れた程度、沿岸で津波に襲われた人達に比べたらまだ幸せな方だと。
4月中旬までには一時帰宅をしようかと思っているとのことで、ココアも4月中旬には広々としたところで生活できそうです。
4月10日、震災から1ケ月経った日にいわきのご自宅にココアも一時帰宅しました。週末は自宅で過ごせるようですが、また東京に戻ってきての犬舎生活が可哀そうな気もします。
その後は徐々に帰宅日数が増えて、東京といわきの往復。一日でも早く元の生活に戻りたいと飼主の人も希望。
早くいわきで元の生活が出来るようになると良いですね。
震災後の復旧も進んだようで、ココアも今では短期間を私の病院で過ごす生活になりました。
そろそろココアも東京とお別れの日が近づいています。



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最近のZoonosisの症例から―Q熱、慢性疲労、うつ病、登校拒否など―
 日本大学医学部内科学系統合和漢医薬学分野 矢久保 修嗣

Q熱は1935年にオーストラリアの食肉処理場の従業員が発熱したが、原因の病原体が不明のため不明熱(Query fever)頭文字のQからQ熱と呼ばれた。病原菌は1937年に発見された多形性のある小ツメ菌状で、偏性細胞内寄生細菌のため人工培地では増殖できない。
人のQ熱は不顕性感染が50%である。潜伏期は自然感染では2〜4週間で菌量が多いと発病が早い。40%はインフルエンザ様症状で悪寒、戦慓を伴う急激な発熱(39.4〜40.6℃)、食欲不振、全身倦怠感、頭痛、眼球後部痛、筋肉痛、咳嗽で2週間位で自然治癒する。残り10%が肺炎、肝炎、髄膜炎症状などを起こす。

慢性Q熱は6か月以上感染している。急性型の2〜10%は慢性型に移行すると考えられている。
症状は心内膜炎、慢性肝炎、骨髄炎などで、心臓弁膜症、臓器移植、癌などの人は発症のリスクが高い。急性Q熱回復後に持続する発熱、全身倦怠感を起こす人は慢性疲労症候群に類似する。
症状は耐え難い疲労感、触診での筋肉圧痛、嘔気、関節痛、持続的な頭痛、アルコール不耐性、寝汗、睡眠障害、筋肉痛、理性を失った怒り、筋線種の間欠性攣縮、集中力・精神力の欠如などいろいろある。

動物のQ熱感染症は、感染経路は動物やダニが保菌しており、その排泄物に感染された粉塵の吸入である。潜伏期間は感染実験では3〜7日であるが実際は不明。
症状は不顕性感染が多くみられ、軽い発熱と鼻汁の症状を現す。妊娠動物は胎盤で爆発的に菌が増殖するので流産や死産を起こす。
人への感染経路は菌で汚染された塵埃の吸引による。経気道感染は感染動物の糞便、尿、乳汁、出産時の羊水、胎盤が乾燥し、それらを人が吸引する。経口感染は非殺菌生乳や乳製品、関製品からである。
人から人への感染は口腔内に菌がおり、性行為による感染も認められる。日本ではネコが重要な感染源であり、この他ウシ、ヤギ、ヒツジなどからある。
診断は原因不明の熱性疾患患者が動物を飼育していたり、動物を扱う職業の人の場合Q熱を鑑別診断リストに加えておく。インフルエンザが流行していない時期に、インフル様症状のある患者、原因不明の肝炎患者、肝炎ウイルス陰性の肝炎患者、心内膜炎、髄膜炎患者、不定愁?の患者もQ熱を鑑別診断へ加えておく。
検査法はCoxiella burnetiiの分離、抗体測定、DNA検出など各種ある。
Q熱は、感染症の予防及び感染症に関する法律では4類感染症のため、感染症発生の全数把握のため直ちに最寄りの保健所に届け出ることになっている。しかし健康保険の適応がないので自費検査である。国内の検査機関が限定され、各施設独自の診断基準のため国内外での陽性基準が統一化がない。しかし治療薬は保険適応である。抗生剤、抗菌剤による治療が主体で漢方治療も補助剤として活用されている。

―Q熱の感染防止のための知るワクチン≠ヘ、

○ 普段から換気をしてコクシエラ菌(Q熱)を吸入させない
○ 免疫力の低下した人は注意
○ ペットの糞尿は早めに処理
○ ペットの出産時はすぐに掃除、消毒をする
○ 過剰接触として口移しの餌やり、スプーンの共有、顔・口を舐められない。舐められたらすぐに洗浄
○ 野良猫、地域ネコとの接触をしない等が必要である。

Q熱について医療関係者、獣医師とペット飼育者はよく理解していないのでしっかり判断するともっともっと多くのQ熱患者が見つかると思われます。又、原因不明の疲労倦怠患者の原因の一つかもしれません。あなたとペットの健康のために「知るワクチン」は大切です。



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犬猫から人に感染する病気対策シンポジウム

シンポジウムの詳細は下記PDFファイルよりご確認ください
  詳細をみる(PDFファイル)

    









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カプノサイトファーガ感染症




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「犬猫の病・老・死について」の講習会 報告






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犬ブルセラ症講習会報告

                              本会主催:平成201118    於:主婦会館プラザエフ 

08年夏、東京都と千葉県の2ヶ所でレンタル犬、ドッグカフェなどを開設している施設内で犬ブルセラ陽性犬が多数見つかり、大きくマスコミで報道された。このため施設の近くの人を中心に不安が広まり、施設は自主的に閉鎖されました。

本会は、犬ブルセラ症にり患している動物を増やさない、施設の閉鎖などの悲劇を二度と起こさない、安全で健康な家庭動物の飼育を目指す、感染が広まることは動物業界として好ましいことではない、という立場から動物取り扱い者に犬ブルセラ症の勉強会を開くこととしました。勉強会は開催案内の発送が遅れてしまいましたが、約20名の参加者がありました。

須田会長による開催の経緯や、本会の歴史などの話の後、基調講演として「家庭動物における犬ブルセラ症の問題点」として日本大学の荒島康友先生が講演されました。 

第1部 家庭動物における犬ブルセラ症の問題点 日本大学 荒島康友 氏

講演では、犬ブルセラ症は流産及び出産時のおりものや尿などから伝染するブルセラ・カニス菌による細菌感染症であり、症状は繁殖障害(流産、死産、精巣炎など)が主であるが、発熱、食欲不振などの全身症状も認められる。このように特異的症状が解り難いため臨床的に気がつかない場合、さらに犬は他の動物とちがい法的規制は無いため、特に検査もされず他の感染症として対処されている場合が多くあることが問題を複雑にしている。また、本症は人では感染症法4類感染症に指定されており届出義務があるが、熱や痛みなど風邪様症状を多く認めるため、確定診断することは少ない点が問題である。日本では、02年〜06年の間に犬ブルセラ症の報告は8例あり、昨年は名古屋で犬の繁殖業者2名が犬ブルセラ症に感染した報告がある。

犬ブルセラ症の診断には抗体検査、PCRなどいくつかの方法があるが、検査方法及び検査報告方法に一部統一性がなく一部開業獣医師の中でも混乱が生じている。さらに治療法についても確立されたものがなくブルセラ・カニス菌の特異性であるマクロファージ内で生存することが完治の判断を難しくしている。このような理由から、診断も治療もまだまだこれから検討される必要があると思われる。また、東京都の疫学調査では犬の4%前後が抗体陽性であると報告がある。一方動物取り扱い業者(ペットショップのスタッフ、ブリーダー、動物病院スタッフ)は全国的に1%位が抗体陽性との調査結果もある。都民に安全・安心な動物を飼育してもらうために、動物取扱業者は犬ブルセラ症の検査を早期に行い感染防止対策を立て蔓延させないよう努力することが動物取り扱い業者には必要と思われる。と結ばれました。 

第2部  犬ブルセラ症と診断されて           動物取扱業 荒木学 氏

話題提供として「ペット業界における犬ブルセラ症発症例」について、ジャネットの荒木学氏が自身の体験談などを話されました。


日本ではこの数年、毎年のように集団発生の報告がされている。

  03年     静岡県 繁殖施設で流産多発 51頭が陽性

   05年〜06年 沖縄県 繁殖施設 2ヶ所で16頭が陽性

  06年〜07年 大阪府 繁殖施設 139頭が陽性。飼い主が飼育放棄し行政が安楽死処分

   08年     愛知県 ペットショップ 14頭が陽性。犬の出産を介助した2名が感染し入院。

  08年      東京都と千葉県 レンタル犬施設 59頭中18頭が陽性。(内陰性は3頭)28頭は再検査が必要な擬陽性と判明。
          このうち
1頭が流産したので、犬ブルセラ症の検査を行った。この結果を保健所に相談。保健所からは人と動物との
         共通感染症のため、 流産した犬の看病の際は、手袋とマスクの着用を徹底して欲しいとの指導を受け、営業を自粛しました。

犬ブルセラ症は多くの未解決部分もあるので、動物関連業界、獣医師業界をはじめ行政が一体となり、犬ブルセラ症の問題に取り組み病気をコントロールして行くことが必要だと考えます。そのためには業界や一般飼い主の犬ブルセラ症検査の義務化制度を一刻も早く確立し、ワクチン開発、陽性犬の正しい飼い方と治療方法を一般に広め、感染拡大防止に努めなければならない。また、この制度を早期に確立し、犬ブルセラ病を行政がコントロールできるようにして欲しいと懇願し話を終えました。

多くの家庭では犬は人の生活に無くてはならない存在になっており、人も犬も安心・安全に楽しく生活ができるように犬ブルセラ症の正しい知識の普及と感染防止に医師、獣医師、動物取り扱い業者、行政ら関係者一同連携に努める時期ではないかと思う。また、本会の事業の一つではないかと考えます。 

その後の対応

本会有志は、この講習会をもとに後日荒木氏所有犬の再検査と犬ブルセラ症陽性血清や資料をもとに具体的な問題提起を行った。

1.ブルセラ症抗体検査の精度管理事業の実施を
  同一検体でも検査施設間で抗体価が変動するので、陽性、陰性など判断が異なる可能性が出てくる。
  検査施設や検査技師の定期的な指導や認定制度が必要である。

2.検体取扱規準の作成を
  同一の個体であっても採血時の溶血によっても抗体価が変動するので、採血、分離、輸送など正しい方法を
  臨床獣医師と検査機関に指導・普及を行う必要がある。

3.犬ブルセラ症診断基準の作成を
  同一個体を12ヶ月後に検査しても抗体価が変動するので、正確な診断は1回の検査では判断できない。
  診断には複数回の検査が必要になるので、検査機関は検体を最低
2ヶ月間保存しその返還にも応じる。

4.繁殖用犬の定期検査の義務化を
  日本では犬の4%前後が陽性との疫学調査報告がある。繁殖用犬は定期的に検査を行い陰性犬同士を繁殖し、
  陰性犬のみを販売する。その際公的な陰性証明書を発行する。

5.犬ブルセラ陽性犬の治療基準作りを
  日本では40万頭以上の犬が犬ブルセラ症陽性の可能性があるため、社会問題化しない様にブルセラ症の普及啓発、
  治療、安楽死などの基準を作成早急に作成する。

6.動物取扱業者の定期検査の義務化に補助金を
  犬の繁殖販売業者や動物病院のスタッフの1%が陽性との疫学調査がある。公衆衛生や人の健康のため、
  定期検査を義務化し補助金を交付する。
 




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飼い主のいない猫はどうするの?


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